3行でまとめると
貧困家庭の子どもは学力が低いという傾向がある。栄養バランスのとれた食事をしっかりと3食とることで集中力や記憶力もアップ。生活習慣を改善すれば、学力も向上していくという。
貧困家庭の子どもは、学力が低いという傾向があります。貧困家庭の子どもの学力を少しでも上げるためにさまざまな活動が行われています。この記事では、貧困家庭の子どもの学力問題とともに貧困家庭の子どものために行われている学習支援についてご紹介していきます。
子どもの貧困によって生じる教育格差
学歴が低くなる
今の子どもたちのほとんどが学校での勉強や宿題の他に塾や英会話教室に通って知識を補っていきます。しかし、貧困家庭の子どもは経済的な理由で塾に通うことができないため、他の子どもとの学力の差が出てしまいます。学力低下を防ぐために「一人親家庭のための学習支援活動」や「放課後に通える教室」を無料開放して、学習指導を行っています。学習支援活動については後ほど詳しくご紹介していきます。
奨学金を借りなければいけなくなる可能性が高くなる
もし、貧困家庭の子どもが大学や専門学校に行きたいと考えたとき経済的な理由で学費を払うことができないことので奨学金を借りなければいけなります。奨学金は、学校を卒業したと同時学校への借金になります。奨学金の返済に追われて、社会人になっても貧子生活から抜け出せなくなっていきます。
就職できる職業が限られる
学力が低く学歴も低くなると、就職できる職業も限られてしまいます。貧困家庭出身の子どもが就いている主な職業は、製造業(工場勤務)スーパーでのレジ業務、コンビニ勤務などです。学歴が低いとの職業のなかでもパート・アルバイトでしか採用されないことがほとんどですので収入が低くなってしまいます。収入が低くなると貧困になっていきます。
ご紹介してきたように貧困が原因で高度な勉強をする機会が与えられないので教育格差が生じやがて、貧困の連鎖につながってしまいます。 ただし、教育格差は幼少期に生じることはほとんどなく10歳から生じる傾向があります。その原因を次の章で詳しく解説していきます。
貧困世帯の子どもは10歳から学力が低下する?
大阪府箕面市が行った2万5000人を対象にしたアンケート結果によると、小学校3年生(9歳まで)は、読み書き計算の基本的な学習だけなので学力に差が出ることはありませんが、小学校4年生(10歳)になると基礎知識を活かした応用問題が増えてきます。実は、貧困家庭の子どもは不規則な生活をしているので一般家庭の子どもに比べると基礎学力が身につきにくい傾向があります。それだけでなく、貧困家庭の子どもは、一人で宿題をしなければいけませんので、分からないところがあっても質問することができません。ですので、正しい答えの導き方や問題の解きかたが分かっていないことが多いのでテストで点数が取れないのです。 このような学力低下を防ぐためにさまざまな学習支援の活動が行われています。その内容については後ほど詳しくご紹介していきます。
学力を上げるためには基礎学力をしっかり身につけさせる必要があるのですが、その為に不可欠なのが規則正しい生活です。次の章では、規則正しい生活と学力との関係について貧困家庭と一般家庭を比較しながらご紹介していきます。
力の基礎となる生活習慣にも差が
学力の土台になっているのは生活習慣です。ここからは生活習慣と基礎学力について解説していきます。
生活習慣と学力
朝食
朝食は寝ている間に失われたエネルギーを補給することで脳を起こすという役割があります。朝食を取ることで1日の活力を養い集中力を高めることができます。貧困家庭の子どもは、一般家庭の子どもに比べると朝食を食べることができていない子どもが多いです。朝食を抜いてしまうと脳に十分に栄養が行きわたらずに集中力が落ちてしまいます。その結果、学校での授業の内容が頭に入らなくなるため、学力低下に繋がります。
ストレスが溜まりやすくなる
それだけでなく、貧困家庭の子どもは、一人で過ごす時間が長く親子での会話も少ないためコミュニケーション能力が低い傾向があります。それだけでなく、一人の寂しさや悩みを打ち明けることができないのでストレスが溜まりやすくなります。長い間ストレスがかかっていると、常に自律神経が乱れてしまいますので、不眠や食欲不振になる危険性が高くなります。不眠や食欲不振になってしまうと先ほど述べてように脳の活動が遅くなってしまいますので、他の子どもに比べると理解するのに時間かかってしまいます。
ご紹介してきたように学力と生活習慣は深くかかわっていますので生活習慣を改善すれば学力も向上していきます。その理由について次の章でご紹介していきます。
学力の向上のしやすさにも生活習慣が関係
ここからは生活習慣と学力向上の関係についてそれぞれの項目ごとに紹介していきます。
栄養バランスのとれた食事と学力向上
栄養バランスのとれた食事をしっかりと3食とることで集中力や記憶力もアップするので学力向上に繋がります。
良質な睡眠をとる
良質な睡眠をとることで、その日の記憶が整理されて、正しく定着されます、良質な睡眠をとるためには、リラックスすることが大切ですので、お風呂にゆっくり浸かって寝る前に温かいホットミルクを一杯飲んで寝ると熟睡することができます。さらに寝る20分~15分前に布団の中に湯たんぽを入れておくと布団が温まってすぐに寝付くことができますのでぜひ試してみて下さい。
遊びと学力向上
子どもは遊びの中で他の人との関わり方やコミュニケーション能力を身につけていきます。それだけでなく、遊ぶことはストレス発散にもなりますので結果的に学習意力を高めることができます。
このように生活習慣と学力向上は密接に関わっていますのでまずは生活習慣を見直していかなければいけません。
とはいえ家庭だけで学力向上を向上させるには限界がありますので、サポートしなければいけません。次の章からはどのような教育支援が必要で実際にどのような活動が行われているのかご紹介していきます。
貧困世帯の子どもに支援が必要
貧困世帯の子どもには次のような支援が求められます。
学習支援
子どもの状況に合わせて適切な学習支援を行って少しでも学力を上げて負担を減らして希望の進路に行けるように支援しなければいけません。
生活支援
生活していく中で何か困っていることがないかどうか定期的にたずねて支援できるところがあれば支援していく必要があります。
カウンセリング
貧困世帯の子どもには心のケアも重要です。定期的にカウンセリングを行って本音を話せる場所を作ってあげることでストレスを溜めこまないようにしてあげる必要があります。 ご紹介してきたように貧困世帯の子どもにはさまざまな方面の支援が必要です。 次の章からは、教育格差を埋めるために必要な支援と、具体的な支援事例をいくつかご紹介していきます。
教育格差を埋めるために必要な活動は?
どのような教育支援が必要か
学習支援サービス
塾のような形態で地域の公民館や放課後の空き教室を学習の場として開放しボランティアスタッフで学習支援を行っていきます。実際に地方自治体やNPO法人によりさまざまな教育支援が行われていますので下記にまとめておきます。
地方自治体やNPO法人により教育支援が行われている
福岡県新宮市では「ひとり親家庭の子どものための学習支援事業」という活動を行っています。この活動では、週に2日、福祉施設の一室を借りて子どもたちが持ってきた宿題や問題集を元教員や教員を目指している大学生ボランティアスタッフが指導する活動です。対象学年は小学生から中学生までで、さまざまな教員が教えていくスタイルです。さまざまな教員が協力し合って教えるので一般的な塾と同じようにレベルの高い知識を身につけることができます。学習支援はもちろん休み時間には生徒の日常生活や悩み相談に乗ってあげることで心のケアも行っています。 このような学習支援事業が全国各地で行われて貧困世帯の子どもの学力をアップを目指しています。
放課後に通える教室を開放
学校によっては放課後に開放されている教室で勉強を教えたり遊んだり出来る場所を確保している学校もあります。この活動は「放課後デイサービス」と呼ばれる活動で、貧困世帯の子どもたちが親が迎えに来るまでの間、空き教室で勉強したり遊ぶことができるようになっています。このサービスを利用すれば安心して働くことができますし、宿題も先生に見てもらえるので学力を確実に上げることができます。
ご紹介したのはほんの一例ですが、このように教育格差を埋めるためにさまざまな活動が行われていますのでいちど探してみて下さい。 ここまで貧困世帯の子どもたちへの支援についてご紹介してきましたが震災した子供への支援も行われていますので次の章で詳しくご紹介していきます。
被災地の復興支援・子ども支援
被災地では次のような復興支援や子どもに対する支援が行われています。
物資支援
食べ物や毛布、歯ブラシなど生活していく上で欠かせないものを被災地へ届けます。
避難所・仮設住宅運営支援
プライバシーが守られて安心して生活を送ることができるように公民館や学校を避難所として開放したり仮設住宅の運営をサポートします。
子どもの心のケア支援
災害で突然家族や友人、家を失って傷ついている子どもの心のケアを行います。
高齢者や障がい者の生活支援
高齢者や障がい者といったひとりで生活することが難しい方の生活支援を行います。
まとめ
貧困世代の子どもや被災した子どもでもご紹介したような学習支援サービスを受ければ希望通りの進路に行かせてあげることは十分できますのでどんどん利用して下さい。
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