コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?生産者の利益を考えるなら高品質のコーヒーを選択すべき−「コーヒーで読み解くSDGs」より

コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?漫画と青空文庫
コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?

今回は「コーヒーで読み解くSDGs」よりコーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセントという事実について解説します

書籍情報

コーヒーで読み解くSDGs
あたなの知らないコーヒーとSDGsの世界。コーヒー、経済、開発援助の専門家3名がいざなうコーヒーで未来を変える

コーヒーで読み解くSDGs
著/Jose.川島良彰
著/池本 幸生
著/山下 加夏

コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?
コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?

コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセントに過ぎない。気候変動の影響で2050年までにコーヒー生産地の移動や縮小が予測されている。コーヒーの生鮮や輸送コストも考慮すると、生産者が受け取る分は1パーセント未満。

コーヒー1杯で生産者に還元される利益はたったの1パーセント!?

コーヒーという身近な飲み物は実は「持続不可能」になる危険を孕んでいる。気候変動などの影響により、2050年までにコーヒーの生産地が移動したり縮小したりすると予測されている。

コーヒーは非常に矛盾に満ちた飲み物である。生産者の多くは赤道付近の開発途上国である一方、消費者のほとんどは欧米や日本である。生産者と消費者が交わることなく、お互いの事情を知らない。私達がコーヒー1杯を飲んでも生産者に還元されるのはたったの1パーセントである。

「コーヒーで読み解くSDGs」概要を説明

本書はコーヒー、経済、開発援助の3人が手がけた本であり、コーヒー生産者の事情を通してSDGsについて学ぶことができる本である。私達はコーヒーの生産地で起こっていることを理解し、消費者として選択や行動について考えるべきである。実際、コーヒー1杯を飲んでも生産者への利益還元はたったの1パーセントに過ぎない。さらに、気候変動の影響で2050年までにコーヒー生産地の移動や縮小が予測されている。

「美味しいコーヒー」とは何か?


美味しいいコーヒーとはどんなものを考えるか?たとえ品質の高いコーヒーであっても生産者の貧困の上に成り立っているとしたら心の底から「美味しいコーヒー」と言えるだろうか?コーヒー生産の裏で大規模な環境破壊が起きていたとしたら、それを知ってもなお「美味しいコーヒー」を味わえるだろうか?
これは、SDSsのゴール12「つくる責任、つかう責任」で示されているように、消費者である我々も果たすべき責任があるということである。

サステナブルコーヒーのために


美味しいコーヒーが今後も続くようにするには、目の前に注がれたコーヒーにどんなストーリーがあるのかを正しく知ることが必要だ。そして、自分の選択や行動に活かす。実際、1杯330円のコーヒーについて考える。1杯のコーヒーを淹れるために必要なコーヒー豆を10グラムとする。豆は焙煎しているから生豆は12.5グラム。これを国際価格に換算すると3.25円。つまり、330円のコーヒーは生産者が受け取る売上はたったの1パーセントに過ぎない。国際価格は輸出価格なのでそのすべてが生産者の利益になるわけではない。また、コーヒーの生鮮や輸送コストも考慮すると生産者が受け取る分は1パーセント未満だ。

安いコーヒーとフェアトレードコーヒーの違い


日本で業務用に売られているコーヒーは1キログラムで1000円もしない。1杯につき10グラムで計算すると1杯あたり10円で、1杯330円にすると豆のコストは3パーセントである。この中には日本国内での焙煎費や輸送費が含まれるため、実際は1パーセントに近くなるだろう。

スーパーで売られているコーヒーは低価格のもので10グラム15円、約4.5パーセント。品質の良いものはもう少し高くなる。フェアトレードのオーガニックコーヒーは10グラム50円程度で15パーセントである、つまり、コーヒー豆の質が上がれば豆のコストも上がる。

我々消費者が質の低い安いコーヒーばかりを飲めば、生産国でも安い豆を大量に作るようになる。一方、消費者が質の高いコーヒーを選択すれば、生産国でも品質の高いコーヒーを作ったほうが利益が大きくなり、生産者に還元される。

我々消費者にできること


世間ではコーヒーのことがあまりに知られていない。こうした無知や無関心が安いコーヒーばかりを求め、品質を犠牲にしてたった1パーセントの利益しか産まないコーヒーを生産者に量産させているのだ。コーヒーの消費者にできることは、コーヒーの美味しさに敏感になり「本当に美味しいコーヒー」を提供してくれる店を応援することだ。コーヒーが安さではなく品質に注目されればこの状況は変化してくるだろう。

コーヒー生産者は女性の方が多い!?

コーヒーのほとんどは開発途上国で生産されている。途上国の農村部における女性の労働力はとても重要で、地域によってはその数は男性よりも多い。コーヒー農家の仕事はコーヒー樹の栽培、収穫、精選、出荷、販売などのプロセスがあり、その過程で女性が大事な役割を担っている。しかし、女性が農園経営に携わったり、組合に入って融資や技術支援を受けることが難しい地域も多く存在する。

コーヒー農家の女性たちはコーヒー生産だけでなく、子育てや家事全般など他分野の労働を一手に担っている。しかし、その貢献が正しく認識、評価されないケースが多い。
金銭的、精神的にもコーヒー農家の女性は男性に依存しなければ生きていけない存在と諦観してしまう。

ジェンダー平等プログラム


コロンビアコーヒー生産者連合会は2013年に「ジェンダー平等プログラム」を開始した。参加者の7割は女性で、家庭内での女性の地位向上やコーヒーの品質管理指導、マーケティングに関わるための支援を行った。女性が販売に関わるようなった結果、コーヒーの品質は格段に向上、品質が高ければ高く売れることがわかると、精選作業も丁寧に行うようになったという。

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